北越銀行を相手にせず 大光銀行の杉田昌久頭取(66才)
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※記事中の会社名・団体名・所属・役職等は取材当時のものです。
平成12年4月1日号
大西リポート085
 

北越銀行を相手にせず


頑固じいさんが表明
大光銀行の杉田昌久頭取(66才)

仏頂面

  三月二十二日、大光銀行本店に記者団約三十人が集まった。
 その中を大光銀行の杉田昌久頭取(66才)が部下を従えて入ってきた。歩き方は前かがみで年寄りくさい。日頃、運動をやっていないことがすぐわかる。
 「新潟中央銀行の受け皿銀行として当行が手を上げることになりました」。口は重く、よく聞こえない。すかさず「もっと大きな声で話して下さい」との声が飛ぶ。
 「平山知事から依勅がありましたので決断しました。第四銀行さんの協力が得られますので」
北越銀行の前頭取高田正一さんは血色のいい人だったが、杉田さんはまるで逆。顔色がよくない。笑顔が出ない。仏頂面である。
しかし四方八方から飛ぶ質問にはキチンと答える。隠しだてはないとみた。通り一遍の説明をしてそそくさと逃げる新潟県警とは違う。聞けば記者会見は杉田さんがやろうといい出したという。「ウソはいうな」と部下にも厳命した。頑固じいさんという感じだ。

 杉田さんは新潟県柿崎町出身。高田高卒。東大(法)卒業後大蔵省へ入った。井田哲生前頭取の誘いで七年前に大光銀行へ。自宅は東京にある。

受け皿を決意

 「新潟中央銀行の破たんが決まった時点から受け皿にならざるを得ないだろうなと思っていました。第四銀行さんとも水面下で話し合っていました」
 杉田さんは一時間の会見中、しきりに第四銀行の協力が得られることをロにした。協力の内容について「当行だけではまかないきれない大口融資先について第四さんから融資していただくこと。そしていずれ必要となる当行の増資について第四さんにも引き受けて欲しい」と説明した。
 しかし、一方の雄、北越銀行についてはなぜか一切、口にしなかった。

−北越銀行に協力を求めないのですか?

「頼む気はありません」

−なぜ?

「三社になるといろいろ気使ったり、疑心暗鬼になる。二社の方が話がスムーズに進むからです」。

第四銀行に協力を求める手前、北越には「死んでも世話になりたくない」という気持ちが強いのだろう。同じ長岡にいながら、イヤ、長岡にいるからこそだ。もっとも本人は「決して毛嫌いしていない」と否定している。

第四のひとり勝ち

 新潟県の金融業界は長く四行体制が続いてきた。その中でもトップの第四銀行と二位の北越銀行は両雄と並び称されてきたが、預金量でみるとその差は驚くほど大きい。第四が二対北越が一である。
 その第四銀行は大光銀行にも出資してグループに入れる。大光銀行は新潟中央銀行の預金を引き継ぐから第四グループ対北越銀行は三対一になってしまう。まさに第四銀行の一人勝ちだ。トヨタと日産のような格差になる。しかも第四銀行は県内の有力企業に人を派遣している。ブルボン、植木組、ツインバード工業、第一建設など数多い。カネと人の両面で第四銀行の存在感が大きくなっていく。それにひきかえ、北越銀行は寂しい。吉原組倒産の傷が残り、今また大光銀行からそでにされた。肝心の中小企業からの評判もよくない。
 かつては大光銀行のことを「カネを貸さない銀行」と人は酷評したが、今は北越銀行が「カネを貸さない銀行」となった。それどころか「貸したカネを引き上げる銀行」とまでいわれている。
 長岡技術科学大学の手嶋立男教授を顧問に迎え、ベンチャー企業を発掘した時代がウソのようだ。

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