北陸ガスはなぜ不人気なのか?北陸ガス 敦井栄一社長(55才)
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※記事中の会社名・団体名・所属・役職等は取材当時のものです。
平成10年11月1日号
大西リポート061
 

北陸ガスはなぜ不人気なのか?


株価255円、ガッポリもうかっているのに
北陸ガス 敦井栄一社長(55才)

書かないで欲しい

 新潟駅前の「ガスビル」八階に北陸ガスの社長室がある。広い社長室で敦井栄一社長(55才)は筆者と会うなり「きょうの話は大西さんの頭の中だけにとどめてもらい、大西リポートに書くのは勘弁してもらえませんかね」ときた。困った事をいう人である。書いてなんぼの仕事をしている記者に対し「書いてくれるな」というのは「お前死ね」ということと同じだ。報道の自由の侵害でもある。
 「どうしてですか」
 「大西リポートに登場するのは立派な経営者ばかり。私のような若輩者はとてもとても」
 「何をおっしゃる!敦井さんは北陸ガスという上場会社の社長ですよ」
 「イヤ、ガス会社というのは縁の下の存在なんですよ。だから目立たないようにした方がいいのです」
 こんな申し入れをハイハイと聞いていたら、記者稼業は成り立たない。ここは「ブイッ」と怒って席を立つか敦井氏のいい分を無視するか二つにひとつだ。だが新潟在任三十年。仏の大西(?)を自認する筆者はそのどちらとも好まない。「じゃあこうしましょう。敦井さんの気持ちは理解しました。でもそれとは関係なく、私が勝手に書くということにしましょう。もともと記事というのは記者が勝手に青くものですから」
勝手に書くことで今回のインタビューは始まった。

ああー、なんでこんな差が!

 北陸ガスというのはもうかっているのに人気のない会社である。株価が証明している。同じ公益企業の新潟交通と比較すると一目瞭然だ。

北陸ガス
新潟交通
売上
243億円
 274億円
借金
48億円
 423億円
経常利益
25億円
−3億円

 こんな差があるのに株価になると北陸ガスが255円なのに新潟交通が410円もして逆転してしまう。「そんなバカな!」と北陸ガスの敦井社長も内心腹立たしいに違いない。ところが本人は「別に気にしていません。ガス会社というのはどこでもこんなものです。交通さんと比較されてもね。」とサバサバしているのである。
 株の本家、新潟証券取引所の牧英二専務はこんな見方をする。「交通さんを赤字というが、結構人気があるんですよ。交通の株を買ぇばバスの優待券がもらえるでしょう。配当みたいなものですよ。その上新潟市流作場にただで買った土地をいっぱい持っています。含み資産が一千億円というじゃありませんか。大西リポートに書いてありましたよ。」これを聞いた北陸ガスの敦井さん。「うちの株買ってもガスの優待券は出ないですからね」と笑った。バスとガスとでは1字違いでも大違いだ。

空から一万円札

 北陸ガスの株が安い理由はハッキリしている。「北陸ガスには夢がない。」と証券市場はみているからだろう。都市ガス業界は通産省から首根っこをガッチリ押さえられ自由がきかない業界である。売上を増やそうにもガスの供給区域が決められているのでままならない。赤字になりそうになったら料金の値上げを認めてくれるが、もうかると「はきだせ」といわれる。一番困るのは水商売であることだ。実質的な創業社長である故・敦井栄吉氏は冬場雪が降ってくると「おお!一万円札が降ってきた」と喜んだように売上の増減は一にも二にも天気しだい。社員の努力ではないのである。

 そんな都市ガス業界に最近やっと芽が出てきた。通産省が「ヤード・スティック」という名の競争原理を導入することになったのだ。そこで打ち出したのが新潟東港に四百五十億円投じて新工場をつくるという大構想だ。今まで永々としてためてきた内部留保が吹っ飛んでしまう金額だ。敦井栄一氏の祖父・栄吉氏を新潟の人は「つるいさん」といわず「ずるいさん」といった。父の代五郎氏を人は「ケチ」といった。そこまでいわれてためてきたカネを栄一氏は一気にはき出そうとしている。「だからおやじとはよく衝突しますよ。」とこガ笑い。ひょっとすると夢のある会社に変身か。

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