なぜか十日町へ全国から続々 村山土建の村山社長(44才)
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※記事中の会社名・団体名・所属・役職等は取材当時のものです。
平成10年7月1日号
大西リポート056
 

なぜか十日町へ全国から続々


 
村山土建の村山社長(44才)

十年で二万通

 書きも書いたり。何と2万枚。十日町市の村山土建社長村山政文氏(44才)が、この10年間で書いたはがきの枚数である10年で2万枚といわれてもピンとこないが、1日6枚のはがきをl日も休まずくる日もくる日も書き続け、10年たったということである。(イヤ、ご立派)。インターネットやEメールが幅をきかす今、何で古くさいはがきにこだわるのか?「私流の人脈づくりなんです。田舎の十日町にいても全国を相手に人脈づくりができますからね。」全国に名が通った大手の経営者でも人脈を大切にする。ましてや知名度の低い中小企業は人脈は生命線である。このため経営者はいっぱい飲んだりゴルフをしたり団体に入ったりして涙ぐましい努力をする。カネもかかる。これに対し村山さんは、1枚50円のはがきで人脈をつくってきた。何という安上がりか。しかも2万人である。「毎日顔合わせている社員や女房、子供にも書くんですよ。口じゃいいにくいこともいえますからね」ときた。
まいった。奥さんにも書くなんて・・・。バツが悪くないのだろうか。背中がゾクゾクとしてくる。

人脈と金脈

 筆者も最近、村山さんからはがきをもらった。5月というのに何と年賀状でだ。形にはまったくこだわっていない。この人は。字はどうかとみたら、何とまあ、筆者と同様達筆なんである。そうっ達筆?。証拠物件をお目にかけよう。
 
こんなはがきを全国に出しているとはがきの友ができあがる。じつは、村山さんの主催で年にl回全国はがき祭りというのがある。全国からはがきの友が嬉々として十日町へ集まる。その数ざっと百人。村山さんがはがきを書く目的は決して仕事欲しさではない。しかし、はがきを通じて気心が知れあってくると、結果として仕事につながってくる。作家の永六輔氏もいっている。「いいかい。仕事は金脈じゃない。人脈だ。人脈の中から金脈をさがせ。逆に金脈の中から人脈をさがすと失敗するぞ。」

新規事業へ進出

 村山土建は、十日町を地盤とする年商40億円の建設会社だ。自己資本が9億円もある優良会社である。初代社長が製材業で基礎をつくり、二代目社長が建設業で発展させた。従って、三代目社長の村山さんには建設業に次ぐ経営の柱をつくる使命がある。「最近、アガリスク茸の栽培に成功したんです。この技術を十日町の農家の方にぜひ提供したいんです。」アガリスク茸というのはガンに効く善のことして最近、注目されており、値段が普通のきのこの約百倍もする。松たけ並みの超高級きのこである。その道の専門家「関口敏夫氏」をスカウトして自社でつくる技術を確立した。「だったら自社でつくれば」と村山さんに持ちかけたら
 「うちのお客さんが困っているのです。えのきの工場をつくったはいいが、価格が安くて泣いている。何とかできないかといわれましてね。」つまり、きのこ事業への進出はもうけるためではなく、お客さんのために、である。となればこの事葉成功するかもしれない。パソナグループを率いる南部靖之氏もいっている。「もうかると思って始める事業には失敗が多い。もうからないとすぐやめるからだ。逆に人のためとか、この仕事が好きといって始める事業は成功する。熱意やねばりの差ではないだろうか。」

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