よし、オレは年4000時間、働くゾ!土曜・日曜休まず。1日13時間勤務。空洞化突破作戦 三和電気の関本孝一社長(55才)
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※記事中の会社名・団体名・所属・役職等は取材当時のものです。
平成7年6月1日号
大西リポート017
 

よし、オレは年4000時間、働くゾ!


「土曜・日曜休まず。1日13時間勤務。空洞化突破作戦」
三和電気の関本孝一社長(55才)

猛烈に働こう

 産業空洞化問題が日本の経済だけでなく、新潟県の企業にモロに出始めてきた。「海外へ発注することになったので、お前さんのところへ仕事は出せない」という発注会社が続々と出てきたのである。
 「商売始めて23年。いろいろなピンチがあったが、今回は最大のピンチだと受け止めている」と語るのは電子機器メーカー、三和電気製作所の関本孝一社長 (55才)。
 そこで、この難問を乗り切るために打ち出したのが、自分が猛烈に働くこと。年間4000時間働くことを自ら決めた。4,000時間といってもピンとこないかもしれないが、例えば5,000時間だと1日16・7時間働くことになるのだそうだ。睡眠時間まで削るほどになる。「私は4,000時間なので1日13時間くらいになる。もちろん土曜・日曜は休まない。ゴルフもやめる。くだらない週刊誌も読まない。睡眠も深く短くを心がける」と決意は固い。

逆に楽しいよ

 ユニークな病院を全国に次々とつくった徳州会の徳田虎雄会長は人の2倍3倍働き「量で勝った人間は強い」といい切った。「量」すなわち働く時間のことである。
 三和電気の関本社長も今、まさに働く時間を長くすることで空洞化を乗り切ろうとしている。
 「周囲の人はたいへんだね、といってくれるがちっともたいへんじゃない。逆に楽しいよ。なぜなら自分で決めたことだからね。4,000時間労働は」
 「もちろん社員には押しつけないが、私の姿をみて少しでも危機感をもってくれたら、そりゃありがたい。工場長(伴田氏)はすぐわかってくれて、今年の連休は一日休んだだけといってたよ」
 「いつまでも続ける気はない。身体がもたないからね。2年間だ、2年間!」
 社員に危機意識をもってもらうために役員が賞与をカットする方法もあるがありふれ過ぎて効き目が薄い。むしろ社長自らが土曜、日曜も休まないという方が効果抜群だ。

ピンチ、ピンチ、チャンス、チャンス、ランランラン

  三和電気製作所の主力発注先、セガ・エンタープライゼスが台湾に発注することになり、同社の仕事がガタンと減ることがハッキリしてきた。
 「この業界にいるかぎり、いままでこんなことは何度も経験してきた。今回もきたな、という感じだ。こんな時は私は口ずさむんです。ピンチ、ピンチ、チャンス、チャンス、ランランラン…と」雨々降れ降れ母さんが…の歌にでてくるピッチ、ピッチ、チャップ、チャップ、ランランランをもじったものだ。筆者は古いタイプの人間のせいか、ピンチがくると「乾坤いってき」とか「不とう不屈」という気分になるが、関本氏は「大西さんそりゃ暗いよ。ランランランという楽しい気分で取り組まなきゃ」
 「人間、本気になればたいていのことは何とかなるよ。思わぬ人が助け舟を出してくれるものだ。要は本気になれるかどうかだよね」

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